社会的な問題
Posted by someone on March 11, 2010
ストーカー行為の助長
検索エンジンを利用したストーカー行為の事例も発生するようになってきた。個人の氏名で検索すると非常に詳細な個人情報が取得できるケースもあるが、個人情報の削除要請に対し検索エンジン各社は、元のページの作成者に一切の責任があるとして、応じない方針を取っている。Yahoo!では削除要請を依頼するための連絡先すら掲示せず利用者からの依頼を無視することでこの問題に対処する方針をとっている。検索エンジンの利用のうち30%程度が個人情報に関連する検索で占められており、プライバシー問題は検索エンジン各社にとって触れられたくない問題であるのは事実である。
mixiに代表されるソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) では本名での登録を促しているが、これは名前さえわかればSNSサイトの検索機能で容易に個人を特定可能であり、自らに関連するカテゴリへの参加(喩えば卒業校)や公開された参加者間の会話などで、容易に個人の情報を推測・取得できる。クローズドなサイトで公開されていたものであっても、一般公開サイトに転載されてしまうケースがある。検索機能がストーカー行為を助長しているという指摘もある。
学校裏サイトの問題
2007年以降問題となっている学校裏サイト。その多くが、特定個人名を挙げての誹謗中傷を主にしたものであり、学校名では検索できない場合でも、個人名で検索するとその存在が判明するものも多い。不特定多数のものが匿名で作るサイトであるため、サイト管理者に対応を求めることが困難であるケースが多い。こういったケースでは検索エンジンからの削除を求める以外に被害の拡大を防ぐことは難しいが、検索エンジン各社は明白な誹謗中傷の場合であっても個々の削除依頼者に不必要なほどの詳細な説明を求めることが常態化しており、不明確な基準により削除をせず、誹謗中傷が引き続き検索エンジンで検索されつづけることも多い。
言論弾圧への加担
中国の検索エンジンでは反政府的な内容や政府が弾圧しているといわれる宗教団体に関する情報は検索結果に表示されなくなっている。Googleなどは検索結果の中に「表示されている内容は一部法律に基づいて省略されている」という記述があるが、結果的に中国政府の言論弾圧に手を貸しているという批判がある。同様の批判はYahoo!やMSNにも向けられている。
こうした露骨な言論弾圧以外にも、上場企業のウェブサイトがスパムと判断され検索結果に掲載されなくなるということがある。検索サイトに表示されることは企業や商用サイトにとって莫大な利益を還元することであり、同時に検索されない場合の不利益は非常に大きい。
誹謗中傷の増幅効果
インターネット上で実名を挙げて誹謗中傷された場合、検索エンジンの力によりその効果が大幅に増幅される。この誹謗中傷に関する検索結果に対し、Googleでは "通信品位法第 230 (c) 条に基づき、弊社では、Google.com での検索結果から中傷的なコンテンツを削除することを行っておりません。" とし、削除しない方針を明示している。他の多くの検索サイト運営会社は、誹謗中傷に関する検索結果について、インデックスからの削除についてはあいまいにしつつも、不削除の方針を取っている。
不明確な基準
膨大なインターネット上の情報を網羅的に調査するには大手の検索エンジンを利用するほか方法が無い。このためURLがあまり知られていない無名なウェブサイトやドキュメントなどに関しては検索エンジンに検索結果として表示されなければ、その情報にたどりつく可能性が著しく少なくなってしまう。表示されなくなる基準は露骨な検索エンジン最適化テクニックを使用しているサイトや各国の法律等に反しているサイト(下記中国の例)、公序良俗に悖るサイト(アダルトサイト、誹謗中傷が主体のサイト等)と考えられているが、その明確な基準はGoogleを除いては各社共に不明瞭であり、検索結果から削除される際の該当ウェブサイトへの警告は基本的にない。各社とも、検索エンジンスパムには厳しい姿勢を取る反面、公序良俗に反するサイトの非表示には消極的である。
検索エンジン各社にとって、公序良俗に反するサイトをも含め検索できるような状態にしておくことが結果として自社の検索エンジンのシェアを高めることになるため、積極的に不適切なサイトを排除するという動機は働きにくい。